半導体は非常に精密な産業であり、その周辺のサプライヤーの技術も相当なレベルが求められます。ブリクセンは長年にわたり、複数の半導体製造装置大手企業のパートナーとして、板金部品の製造をサポートしてきました。
そのため、常にお客様と共に自らを挑戦し、板金加工の技術限界に挑み続けています。しかし、半導体部品はどのくらい精密に作れば基準を満たすのでしょうか?
ブリクセンはどのようにしてそれを実現しているのでしょうか?本記事で詳しくご紹介します。
半導体板金部品の公差要求
半導体の精密板金部品にはさまざまな種類があり、その中には非常に厳しい公差を要求されるものもあります。
公差の単位はミクロン(µm)で表されます(1ミクロン=0.001ミリメートル)。一部の加工部品には、一般的な加工産業の基準から見ても非常に高い精度が求められます。
例えば、板金加工の部品では、通常、レーザー加工や曲げロボットなどの比較的単純な工程で公差が1mmであれば、優れた技術とされます。しかし、半導体製造装置の部品では、0.2mm以内の公差が求められます。
現在、ブリクセンは0.1mm未満の安定した公差の達成に挑戦しており、近い将来の実現を目指しています。
このように、板金加工で製品の基本形状を作り、CNC加工を経て、より小さな公差で極限の精度を達成することが可能です。ただし、それはお客様のご要望があり、予算が許す限りのことです。
すべてはお客様のニーズ次第であり、お客様の期待に応えるために、ブリクセンは常に最善を尽くします。
ブリクセンは十年前から半導体装置産業向けの板金部品の研究を開始し、同時に板金加工設備への投資と技術者の育成に継続的に取り組んできました。近年では、公差0.2mmという高い精度の技術にまで到達しています。写真にあるのは、黒いツヤなし塗装(接地導電エリアの保護)を施した半導体装置用の電子制御ボックスです。このように「一つの部品に二種類の色や性質を持たせる」塗装部品では、全て手作業でのマスキングが必要となります。塗装担当者は非常に細心の注意を払い、塗装が不要なエリアを丁寧にマスキングしなければなりません。マスキングが不十分だと、軽微な場合には再作業が必要となり、深刻な場合には廃棄せざるを得ません。そのため、塗装技術者の技術が非常に重要となります。
半導体装置の板金部品を製作するには、図面作成、レーザー切断、曲げ、溶接、表面処理など、各工程で精密な作業が求められます。それに加え、非常に厳格な生産SOP(標準作業手順書)を組み合わせることで、各ロットの生産において一貫した高品質を維持することが可能です。写真は、亜鉛メッキ処理を施した半導体装置用の板金部品です。
これらの条件を満たすことで、工法は高い精密度に達します
もちろん、上記の技術水準に達するためには一朝一夕で達成できるものではなく、設備や工場内の人員が一定の条件を満たす必要があります。近年、ブリクセンは以下の点において積極的に強化・改善を図ってきました。
設備の必要条件
- 公差が0.1mmのレーザー設備を導入し、公差の累積を防ぎます。
- 公差が0.003mmのベンダー(プレスブレーキ)を選び、角度定規やベンダーストッパー(突き当て)の機能を特に重視しています。成品の曲げ角度に関わるため、位置決めが正確であればあるほど、仕上がりが良くなります。
- 「ベンディングシミュレーションシステム」(VPSS ベンドCAM)を導入し、曲げ加工の順序と金型の事前シミュレーションを行い、製造工程でのミスを減らし、精度を確保します。
- 溶接時の電流、電圧、溶接方法、治具などの標準作業手順を制定し、溶接の変形度を制御します。
- 三次元測定設備を設置し、公差内に収まっているかを確認します。
- 製品が特殊で工場内で検査できない場合は、第三者機関に検査を依頼します。
人員の専門条件
- 開発部門の設立:以前、ブリクセンでは技術を研究する専門の人員が配置されていませんでした。しかし、お客様のニーズに応えるために開発部門を設立し、技術の進歩を追求し続けています。
- 細心の注意を払う曲げ加工スタッフ:図面や金型の選択、曲げる方向や角度、位置、曲げの手順など、多方面にわたる確認が必要です。
- 溶接手順規範書:施工前に工程図を確認します。溶接前には溶接手順規範書(WPS)を用意し、使用する溶接方法、材料、寸法、温度、電流、ガスなどの詳細項目を確認します。異なる溶接スタッフでも手順規範に従うことで、安定した溶接製品を提供できるようにします。
- 完璧を目指し、卓越を追求:半導体は世界で最先端の産業の一つであり、要求される技術も非常に高度です。共に成長するためには、学び続け、新たな製造方法を見つけ出すことが必要です。挑戦を楽しみ、設備と専門人員に投資することで、時代に取り残されず、技術の遅れを防ぎます。
半導体装置の板金部品は、製造工程の厳格な管理が必要であり、最終検査においても例外ではありません。クリーンルーム内で検査と包装を行うことで、部品のパーティクルが顧客の規格に適合することを保証できます。写真はクリーンルーム内での作業の様子を撮影したものです。
十年かけて技術を磨き上げ、最高の技術で高精度な板金部品を提供します
ブリクセンが高い技術水準の板金製品を提供できるのは、十年前に思い切った投資を行い、設備と人員の専門性に多くの労力を注いだ結果です。特に六年前に大型ディスプレイフレーム製品の製造を始めて以来、技術は飛躍的に向上しました。
この道のりにおいて、お客様のご指導とご支援がなければ、ブリクセンは絶えず成長し続け、新製品の開発、試作・量産製作、検査プロセスの把握、清潔な環境での加工・組立を行い、最適なサービスと体験を提供し続けることはできなかったでしょう。
困難と挑戦を恐れず、ブリクセンは半導体分野に十年以上にわたり深く根ざし、専門的な板金設計・開発、板金技術、製品管理に豊富な経験を積んできました。半導体製造装置部品やステンレス精密部品の設計・製造のニーズがございましたら、〔WEB見積もりフォーム〕にご記入いただければ、迅速に対応し、最適な解決策を共に考えさせていただきます。